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皆さんこんにちは!
株式会社長川原金属、更新担当の中西です。
~変遷~
砂と溶湯で、設計思想とサプライチェーンを映し続ける産業
砂型アルミ鋳造は、もっとも“自由度”の高いものづくりです。複雑な空洞・一体成形・肉厚差・鋳ぐるみ…設計者の悩みを砂と溶湯で解決してきました。ところがこの70年、素材・設備・品質要求・環境規制・市場構造の変化を受けて、工場の中身は別物と言って良いほど進化しています。本稿では、年代別の流れ→プロセス技術→品質とデジタル→環境と人材→これからの順に、現場で役立つ視点で整理します。
目次
**木型+生型(グリーンサンド)**が主流。
溶解は重油炉・ガス炉・反射炉が中心、合金はJIS系の汎用品。
品質は破面観察・寸法ゲージが主で、欠陥解析は経験依存。
化学硬化砂(フラン・フェノール樹脂)やコールドボックス中子が普及、薄肉・複雑形状に対応。
溶湯処理にアルゴン脱ガス・ロータリーデガッサ、セラミックフィルタが導入。
分光分析(OES)・水素量測定・X線が日常化。ISO 9001や自動車規格が現場に入る。
CNC・3D CADで木型→アルミ型、治具の高精度化。
自硬性砂の機械混練・再生ライン、造型機のサーボ化でバラツキ圧縮。
溶解の電気化(抵抗炉・誘導炉)や自動注湯の採用が進む。
**鋳造CAE(充填・凝固・欠陥予測)**が設計の標準ツールへ。
CTスキャン・画像解析で内部品質を“見える化”。
VOC・粉じん・CO₂への規制対応、砂再生・バインダ低VOC化が加速。
少量多品種・試作短納期に**3Dプリント砂型(バインダジェット)**が登場。
モータハウジング、インバータケース、バッテリートレイ等の大型薄肉化に対応。
デジタルスレッド(CAD→CAE→型→造型→検査→トレース)で手戻り最小化。
セカンダリーアルミの活用、LCA視点の取引が広がる。
生型(クレイ系):量産に強い。回収・再生の最適化で品質安定。
自硬性砂(フラン/フェノール):大型・厚肉・寸法安定。VOC対策がカギ。
コールドボックス中子:複雑中空に強い。アミン対策・臭気管理は設備勝負。
無機バインダ:低臭・低発煙。耐湿性と強度の両立がテーマ。
3Dプリント砂型:木型レスで最短納期。量産前試作や年次小ロットに効く。
炉:反射炉→**ガス高効率炉・電気炉(抵抗・誘導)**へ。熱ロス可視化が定着。
処理:脱ガス(アルゴン/窒素)、精錬フラックス、フィルタリング。
成分管理:OESでその場調整、水素量監視でピンホール抑制。
職人の勘→CAEとモジュラス設計。
チル・冷し金の適用、押湯スリーブ・カバーで歩留まりと健全性を両立。
自動注湯・流量制御で乱流最小化、酸化膜巻き込みを回避。
真空補助・負圧で充填性向上、スクイズ併用で気孔減。
受入/工程管理:OES(成分)、水素・温度・酸化膜指数のルーチン化。
検査:X線→CT(3D内部欠陥)、染色浸透・磁粉(鋼部鋳ぐるみ)、寸法CMM・3Dスキャン。
工程統計:SPCで粒度・圧縮強度・含水・通気度を管理。
フィードバック:検査結果はCAEと不良マップに戻し、次回の湯道修正へ。
自動化:造型・中子セット・型バラシ・ショット・仕上げのセル化。
人の負荷対策:アシストスーツ・ハンドリングロボで腰・肩を守る。
粉じん/シリカ:集塵・局排・保護具の標準化。
溶湯災害:湿気・水分混入ゼロのルールと点呼、飛散防止床、耐熱個装。
砂再生:機械・熱処理の組合わせで回収率UP、廃棄量と購入量を双方向で削減。
低VOC化:無機バインダ・低発煙スリーブ・**RTO(蓄熱式酸化炉)**等の導入。
エネルギー:炉の断熱・蓋管理・誘導炉の力率最適化。
原料:リサイクル(セカンダリー)アルミの比率増、合金設計で機械特性と鋳造性の両立。
自動車:EVでケース・トレイの大型薄肉が増加、寸法安定と内部健全性の両立が必須。
産機・インフラ:一体化・複雑化、試作短納期の要求が増。
航空・ロボ:ポロシティ・介在物の厳格管理、トレーサビリティが勝負。
CAD→CAE→CAM→造型→検査→台帳をIDで連結。
不良発生時は検査点群→CAEへリプレイ→ゲート修正→型データ即日更新。
原単位の見える化:砂・合金・ガス・電力・時間を品番別に集計し儲けの構造を把握。
A|薄肉箱物の巻き込み気孔を1/5に
介入:CAEで自由表面乱流を低減する湯道再設計+自動注湯の流量プロファイル導入。
結果:内部気孔率−80%、仕上げ工数−15%。
B|VOCを半減
介入:中子を無機バインダへ、造型室に局所RTO。
結果:作業環境改善、近隣苦情ゼロ、CO₂も削減。
C|試作リードタイムを10日短縮
介入:3Dプリント砂型+アルミ簡易治具、CTで初回合否判定→CAEへ即フィードバック。
結果:試作〜量産移行が1スプリント短縮。
砂・中子
粒度・含水・通気・強度のSPC管理
中子ガス抜き位置/断面積の標準化
砂再生比率と新品補給の最適点
溶湯
水素量・温度・保持時間の基準票
フィルタ・フラックスのロット管理
取鍋の予熱・清浄度点検
型・注湯
ゲート・押湯・チルの標準テンプレ
注湯流量プロファイルのレシピ化
真空補助・ベントの効き確認
検査・台帳
CT/X線の判定基準(欠陥等級)
不良マップ→CAEへの戻し運用
合金・砂・エネルギーの原単位を品番別に集計
3Dプリント砂型の常用化:試作だけでなく小ロット量産へ。造型コストと後処理の最適点。
無機バインダ×高機能中子:低臭・高強度・耐湿の三立。
低炭素アルミ調達:再生材比率や再エネ電力のLCAを価格に織り込む。
インラインCT/AI判定:100%検査×自動判定で手離れ。
デジタルスレッド完成:設計変更がその日の型データ・作業票に反映される“遅延ゼロ”の工場へ。
不良トップ3の“因果”をCAEで検証
現物CT/X線→不良マップ→充填・凝固解析→湯道・押湯の一次修正。1サイクルで効果を数値化。
砂と溶湯の“基準票”を更新
粒度・含水・通気、H₂・温度・保持時間の許容レンジと異常時対応をA3一枚に。現場掲示。
LCAミニサーベイ
合金(再生比)、燃料・電力、砂再生率の原単位を見える化。CO₂と原価の二軸で改善候補を抽出。
砂型アルミ鋳造は、自由度と包容力を武器に、時代ごとの要求に応えてきました。
生型・自硬性・中子・3Dプリント、反射炉・電気炉、勘・CAE、破面・CT——どの時代でも要は同じ。**“健全で、寸法が出て、間に合う”**ことです。
次の現場では、CAEで因果を掴む/基準票をA3で運用する/原単位を見える化の三手から。
砂と溶湯の“当たり前”を磨き込むことが、これからの競争力になります。
株式会社長川原金属では、一緒に働いてくださる仲間を募集中です!
私たちが採用において最も大切にしているのは、「人柄」です。
当社は小ロットでニッチな部品の鋳造を得意としており、毎日違うものを造っているため日々の業務は変化があり、モノづくりが好きな方には楽しんでいただけると思います。
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